読書『僕の死に方』 [お仕事読書]
『流通ジャーナリスト 金子哲雄』お買い物お得情報など、ちょっと独特の話し方。
明るく分かりやすく伝えていた。
その方が、肺カルチノイドという病で亡くなった。
同年代であり、亡くなったニュースは衝撃でした。
スーパーで何が売れるか、なども分かっていた彼は、自分自身もどう見られているかも分かっていました。
自分自身の明るいキャラクターという事も、分かっていて、本来ならばお世話になった方々に最後の挨拶をしたい、と思いつつ周囲の皆さんに気を遣わせるのも、申し訳ないという事で、一部の関係者以外、公表しない、と決めたようです。
しかし、礼儀正しい方なのでしょう。<死ぬ間際まで、悩ましいものだ>と記している。
人の喜ぶ顔が好きな彼は、これは本当に悩んだと思います。
奥様によると、最後は事務所の身近な方を呼ばれたようです。
そして、最後まで仕事をしたい、という自らの希望も叶えます。
在宅終末医療を選びます。
葬儀に関しては、葬儀は一生に一度。しかし、当の主役はいない。
主役である自分の意思をはっきりとさせておくならば、自分でプロディースするしてしまおう。
遺影も死に装束も自分で決めて、お墓も、葬儀の会葬礼状も。
明るいユーモア溢れた『41歳での早期リタイア制度を利用~』の一文はなかなか思いつかない事。
そして、死が最後ではなく、さらにあちらでも、仕事をします、と。
果たして自分に出来るだろうか?
二人三脚できた奥様への愛情も感じます。
一人になったら、今のマンションは広すぎるので、引っ越すように、と。
死亡診断書の死因についても、医師と話をしています。
自らの死がニュースになるのであれば、『肺カルチノイド』という症例の少ない病が、人の目に触れるという事になるという事で、『肺カルチノイド』を死因という事にしたい。
どれだけ周りの事を思い、奥様を思っていたのか、考えると胸が苦しくなります。
奥様のあとがきに、
<金子の最後の希望を叶えるために、傷つけてしまった皆さま、本当に申し訳ありませんでした。>の一文がある。
そして、夫との一緒の環境と時間を作れた事、またそれを許して下さった方への感謝も。
病院で亡くなる事が多い昨今、在宅終末医療への理解も難しいのだろうか・・。
考えさせられます。
金子さんの好きな色オレンジのカバーは、明るい金子さんを表しているようです。
今晩は。
良く死ぬことは、良く生きること。
金子さんの生き方は正しくそれだったと思います。
by mistta (2013-11-28 22:39)
>misttaさん、こんばんは。
いつでも、真っ直ぐに進む。自分でも出来るかな?と思ってしまいます。
by どんべえ (2013-11-30 17:20)