おじいさまの日章旗

9月になる前に・・本当は終戦記念日に書きたかった事を。

お棺にかけられた日の丸。
法律上では『日章旗』というらしいのだ。

（恥ずかしながら、ワタシはこの時のご葬儀があるまで日の丸という言葉しか知らなかった）

おじいさまは、戦争に行かれたそうです。
その際に、この日章旗に寄せ書きをしたものを頂いたそうです。

その日章旗は、見るからに年代を感じました。
『闘』『忠』『気』などの一文字と共におじいさまへの一言。

平成まで存命だったのですから、戦争で命を失うことなく、天寿を全うされたのです。

戦中戦後の苦労も偲ばれます。

テレビなどでは見た事があるその寄せ書き。
初めて間近で見ました。これは歴史的価値があるのではなかろうか？？と思ったり。

ご親戚様、会葬者の方も、皆さんお棺の近くでまじまじと見ていかれました。

「よくとってあったわねぇ～。珍しいわねぇ」と口々にして。

戦後、大切に大切に保管されていたそうです。
おじいさまは、お孫様へと譲ると言い遺されたようです。

しかし、お孫様方は『やはり、じいちゃんが持っていた方がいいよね』

お孫様方のご意見が一致した事で、その日章旗はお孫様方の手で、
おじいさまに花々と共に渡されて、荼毘へとふされました。


おじいさまの意とするようには、ならなかったかも知れませんが、
きっとお孫様方の優しいお気持ちをあちらで汲み取ってくれる事でしょう。


人の生きる道。生きた道。
歴史の教科書以上の事を、教えてくれるような気がします。

明日も心を込めてお仕事です。

コメント 2

今晩は。お孫さんの優しさが私にも伝わりました。
by mistta (2012-09-01 00:09) 

>misttaさん、こんばんは。
高齢の方は、時代を感じるモノをお持ちです。
モノを引き継ぐだけではなく、その方の心を受け継ぐ事の素晴らしさを感じました。
by どんべえ (2012-09-01 21:18)